ビデオカメラのメリットは手ブレ補正
最近はスマホで動画が撮影できるから、ビデオカメラの存在価値が少なくなくなってきているらしい。
だが、スマホでは足りない性能がビデオカメラにはある。
それは、ズーム機能と手ブレ補正だ。
手ブレ補正とはビデオカメラを持つ手が揺れても、撮影映像は揺れることなく撮影できる機能。
この性能があれば歩きながらの撮影ができるようになるし、また、ズーム機能があれば舞台などの動画を離れた観客席から撮影できる。
これらはスマホではきびしいだろう。
ビデオカメラの撮影は短いカットの連続でいい
ところでビデオカメラをわざわざ持って外出して撮影するのがおっくうに感じることがあるがその主な原因は、「だらだらと長い時間撮影した動画は、どうせ後から鑑賞する気が起きないのではないか」と心配してしまうことだ。
しかしそれは上手に撮影できていない動画ばかり見ていることによる先入観に過ぎない。
実は、動画では長くても30秒くらいのカットを、次々と鑑賞するのが心地良いものなのだ。
例えば1日遊んだ記録を動画で撮る場合でも、要所要所の30秒動画を撮り、それを連続で見れば、十分1日の記録となる。
例えば、遊園地にお出かけした日の動画の場合、
①出発するシーンの動画
↓
②遊園地が近づいてきたときの動画
↓
③入場するときの動画
↓
④乗りものに並んでいるときの動画
↓
⑤乗り物に乗っているときの動画
↓
⑥ランチの動画
↓
⑦笑っているときの動画
↓
⑧泣いているときの動画
↓
⑨夕方の観覧車
↓
⑩帰るシーンの動画
などポイントを決めて撮れば1日分のドキュメンタリーが表現できる。
これだけあってもトータルの動画時間は30秒×10=300秒、つまり、5分の動画にすぎない。
これならば1日分30~40枚の写真を眺めているのとほとんど変わらない。
カット、つまり撮影シーンの決め方は、「言葉にできるかどうか」だろう。
①ならば「みんなで遊園地へ出発します」など、紙芝居の1ページやマンガの1コマに相当するシーンを設定する。
こういった視点で考えると映画やドラマ、テレビCMのカット割も参考となるだろう。
さあ、あなたも映画監督になった気分で撮影しよう。
ちなみに、舞台などの撮影は長時間になるのはしかたがない。
というより、舞台そのものが長時間鑑賞できるように演出されているはずだから、なるべくアングルは固定にして最初から最後まで撮り続ければよい。
おすすめのビデオカメラ
さて、ここでビデオカメラの選び方。
?
ポイントは①手ブレ補正、②ズーム、そして昔のカメラのフィルムにあたる撮像素子、③CMOSの大きさだ。
まず①の手ブレ補正。
目立っているのがソニーの空間手ブレ補正とパナソニックの5軸ハイブリッド手ブレ補正だ。
もし2社で選ぶならこの手ブレ補正があるものにしたい。
②のズームについては、実はメーカーが自慢するような倍率は不要だ。
このあたりのハンディビデオカメラはその名の通り手持ちで撮影するのがメインだが、いくら手ブレ補正があっても、望遠レンズで撮影してしまってはブレまくってうまく撮影できない。
手持ちでなんとか可能な倍率は望遠レンズ400mmに相当する、15倍程度なのだ。つまりズームに関しては、現行機種は全てオーバースペックなのだ。
せめて利用する際には15倍以上は気をつけて使うということを頭に入れておこう。
そして最後に、③のCMOSのサイズだ。
入門機は、ほとんど1/5.8型だ。
これは映像を写し取る面、フィルムに該当する部分で面積が大きいほど高画質で撮影できる。
1/5.8型よりは1/2.3型の方がサイズが大きい。
(サイズを表す型については、対角線の長さをインチで表したものではなく、撮影管という昔の部品が使用されていた時代の名残りだそうで、実際の撮影面のサイズはさらに小さいそうです。)
これが、どのくらい映像の綺麗さに影響するか。
機種名をYoutubeなどで検索するとサンプル動画が沢山出てくるので参考にしてほしい。
画質がまるで違う!
画質が気になる人は是非とも1/2.3型以上のものをおすすめする。
だって、画質は何倍も綺麗で、値段は2万円程度の差でしかないもの!
さて、みなさんはどうお感じになるでしょうか?
以下は、おすすめの機種です。
まずはパナソニックから。
■パナソニック HC W850M
Panasonic デジタルハイビジョンビデオカメラ 内蔵メモリー64GB ブラック HC-W850M-K
手ブレ補正:5軸ハイブリッド手ブレ補正
ズーム :光学20倍
CMOS :1/2.3型
W870Mの1世代前の旧モデルだが、性能はほとんど変わらない。
価格が1万円ほど安いので最新機種にこだわりがなければこちらのほうがおすすめ。
■パナソニック HC?W870M
Panasonic HDビデオカメラ W870M ワイプ撮り 50倍ズーム ブラウン HC-W870M-T
手ブレ補正:5軸ハイブリッド手ブレ補正
ズーム :光学50倍
CMOS :1/2.3型
W850Mの後継機種で、基本スペックはほとんどかわらない。
どのあたりが違うかは以下の機能が追加された点。
・被写体にも素早くピントが合う「HDハイプレシジョンAF」を搭載。
・スマートフォンで撮影した映像を子画面に表示する「ワイヤレス ワイプ撮り」や
子画面の映像がうまく撮れなかった時の備えとして「ワイプ無し映像同時記録」機能を搭載。
・HDR動画記録を実現。
逆光や明暗差の大きいシーンで、露出時間を変えて明るい画像と暗い画像の2枚を撮影して合成することで、白飛びや黒つぶれを抑えた階調性の高い映像を記録し、被写体が陰らず見た目に近い自然な映像を記録できる。
これらに1万円の価値を見出すのであればこちらが候補となる。
一応入門機も上げておこう。
どうしても価格優先という場合、こちらが人気機種だ。
■HC-W570M
Panasonic HDビデオカメラ W570M ワイプ撮り 90倍ズーム ホワイト HC-W570M-W
手ブレ補正:5軸ハイブリッド手ブレ補正
ズーム :光学90倍
CMOS :1/5.8型
CMOSが小型であること以外はHC?W870Mとほとんど変わらない。
これで3万円安いのであれば、一考の価値があるかも。
次はソニー
■ソニー HDR-PJ800
SONY ビデオカメラ Handycam PJ800 内蔵メモリ64GB ブラック HDR-PJ800/B
手ブレ補正:光学手ブレ補正
ズーム :光学12倍
CMOS :1/3.95型
CMOSが1/5.8型より大きいハイビジョンは旧モデルのこれしかない。
また、空間手振れ補正が搭載されていない。
■ソニー FDR-AX30
SONY 4Kビデオカメラ Handycam FDR-AX30 ブラック 光学10倍 FDR-AX30-B
手ブレ補正:空間手ブレ補正
ズーム :光学10倍
CMOS :1/2.3型
CMOSが1/2.3型以上で空間手振れ補正が搭載されているのは、これ。
しかし、ソニーではここまでくるとハイビジョンではなく4Kモデルになってしまう。
お値段は4万円程度高くなってしまう。
これからのテレビは4Kになっていくことを考えると先行投資もなくはない。
資金に余裕がある人は候補に入れてみては?
ソニーでの売れ筋入門機も上げておこう。
■ソニー HDR-CX670
SONY HDビデオカメラ Handycam HDR-CX670 ブラック 光学30倍 HDR-CX670-B
手ブレ補正:空間手ブレ補正
ズーム :光学30倍
CMOS :1/5.8型
パナソニックの入門機、HC-W570Mと互角の機種。
ここまで同レベルだと、選ぶ基準は付加的な特徴となってくる。
ジャイロスコープのような空間手ブレ補正を使ってみたい人はソニー、
ワイプ(画面の隅に表示される子画面)機能ならパナソニックだろう。
もし入門機で選ぶならソニーの空間手ブレ補正が魅力だが、CMOSの大きなサイズがあるのが
パナソニックだったので私の今回の選択ではパナソニックのHC?W850Mを推奨する。
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